謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 2025年を迎えるにあたって、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
今年は、昭和100年の年の節目を迎えます。明治生まれの最年長の方を筆頭に、大正・昭和・平成・令和の5世代が共存しており、少子高齢化の影響で、人口ピラミッドは高齢者の人口が多く、子供が少ない典型的な少子高齢化を表す「つぼ型」を示しております。国内外の諸情勢の変化による物価高、エネルギー価格の高騰など、経営環境はより一層難しさを増している中で、とりわけわが国においては、人手不足が引き続き深刻な課題となっており、デジタル技術の活用こそがその解決手段になることは間違いありません。
コロナ禍を経て、ユーザー企業におけるデジタル活用は確実に広まって参りました。その一方で、デジタル化に対応できないユーザー企業も顕在化してきております。そのような企業の皆さまのデジタル化ニーズも、世代交代が進む中でますます高まっていくことは間違いなく、当協会としても、会員企業における新たな人材採用や人材の育成支援により一層注力していく必要があると認識しております。
さて、東京都では、昨年の都知事選を経て、小池政権が3期目に突入しました。 「未来の東京」の実現に向けて、「ダイバーシティ」「スマートシティ」「セーフシティ」の3つの柱を掲げ、さらなる成果が期待されているところです。
当協会では引き続き、2030年に到来する79万人のIT人材の需給ギャップに対応するため立ち上げた「Tokyo P-Tech事業」の趣旨に賛同し、2028年までを見据えて東京都と連携をしているところです。また東京都では、eスポーツの普及と関連産業の振興、若者へのeスポーツ関連業務への啓発を目的とした「東京eスポーツフェスタ」を開催されております。当協会も毎年協賛をさせていただき、微力ながらも、次世代のデジタル産業を担う若者たちの応援に参画しております。
本年、当協会が設立40周年、東京都情報産業協会と改名して10周年を迎えるに当たり、「WITH US 2030」をスローガンとして掲げ、2030年に向けた「東京デジタル2030年ビジョン」を発表されている東京都と共に、デジタル社会の推進を通じて、新時代における共創社会の実現に貢献して参りたいと存じます。
とりわけ会員企業の皆様の企業価値の向上を通じて業界の発展に寄与すること、また働き甲斐のある職場環境づくりを通じて、働く人々の豊かさの実現を目指してまいりたいと存じます。
一方、環境変化に呼応するように社会インフラやサプライチェーンを標的とした高度なサイバー攻撃が増加しております。ここ数年、発注先の中堅・中小企業の被害により、自動車製品を始め、メーカーのサプライチェーン全体が操業停止に追い込まれる事案が発覚するとともに、インターネット産業においても、ランサムウェア攻撃による情報漏洩などのリスク拡大はとどまるところを知りません。これまでよりも広く踏み込んだ領域にまでセキュリティ対策が必要な時代になっていることを実感しております。目前に開催が迫りました大阪万博を控えて、わが国を標的とするサイバー攻撃は一段と激化することが見込まれます。デジタル化が進む一方で、安心・安全なデジタル社会の推進の要請は高まっており、我々に求められる責務の重要性を再認識したいと存じます。
改めて本年は、当協会としても設立40周年を迎える、大事な一年となります。会員企業の皆様の発展を願いますとともに、会員個々のご商売の繁盛と、そこで働く従業員およびご家族の皆様の幸多く、健康なる日々を心よりお祈りいたします。
2025年1月
一般社団法人 東京都情報産業協会
会長 髙梨 輝彦